QOLに及ぼす影響
小児気管支喘息に対するツロブテロール貼付薬の臨床効果
<その他の作用>保護者のQOLに及ぼす影響(参考情報)
QOLの現状
患児の呼吸器症状は、保護者のQOLに影響を及ぼします。
保護者へのアンケート調査によると、患児の呼吸器症状(咳嗽、喘鳴、鼻症状)は、本人および保護者のQOLに影響を及ぼすことがわかりました。
患児
呼吸器症状が出たときの患児の状態は、「症状の為に、夜眠れなくなる」が47.4%と最も多く、約半数に夜間睡眠障害が認められました。また、「食欲が低下する」や「薬を飲むのを嫌がる」も多く、食欲や服薬への影響も見られました。
保護者
呼吸器症状が出たときに保護者が困ったことは、「介抱の為に、夜眠れない」が42.6%と最も多く、患児の呼吸器症状が保護者の夜間睡眠障害を引き起こしていることが示されました。また、「薬を飲ませにくい」や「薬を飲むときに吐き出す」など、服薬に対する困難も認められました。
望月博之,藤澤隆夫. アレルギー 2008;57(11):1166-74.より改変
試験デザイン
対象
16歳未満で何らかの長期管理薬を使用している喘息患児58名ならびに保護者58名
方法
多施設オープン試験
観察期間(2週間)の後に、ツロブテロール貼付薬を1日1回※就寝前に4週間貼付(貼付群)し、保護者のQOLについて検討した。ツロブテロール貼付薬を使用せず、観察期間の治療を継続した患児を対照群として、同様に検討した。
※3歳未満には0.5mg、3~9歳未満には1mg、9歳以上には2mgを貼付。
栗原和幸 ほか. アレルギー・免疫 2008;15(4):549-57.
試験結果
<その他の作用>保護者のQOLに及ぼす影響
ツロブテロール貼付薬群では、保護者のQOLの改善が認められました。
栗原和幸 ほか. アレルギー・免疫 2008;15(4):549-57.
安全性
ツロブテロール貼付薬群に、貼付部位の発赤、接触性皮膚炎の各1例を認めたが、貼付を中断することなく4週間継続的に使用できた。
栗原和幸 ほか. アレルギー・免疫 2008;15(4):549-57.