PET Study
乳幼児気管支喘息の長期管理におけるツロブテロール貼付薬の有用性に関する検討
PET Study
Protective Effect of Tulobuterol patch on the treatment of acute asthma exacerbations in young children
日本小児アレルギー学会 ガイドライン委員会主導
Katsunuma T, et al. Allergy Asthma Proc. 2012;33(3):e28-34.
試験デザイン
対象
以下の項目をすべて満たす喘息患児 80例
- 0.5~3歳
- 軽症~中等症持続型
- 何らかの抗炎症薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬、吸入ステロイド薬、テオフィリン徐放製剤、DSCG)による長期管理を受けている
方法
多施設二重盲検群間比較試験
保護者にあらかじめツロブテロール貼付薬またはプラセボテープを28枚渡し、患児に発熱や咳・鼻水などの上気道感染症状が認められ、喘息症状増悪の可能性が高い時にテープ※を1日1回胸・背中・上腕のいずれかに貼付するよう指示をした。また、1年間患児の呼吸器症状を記録し、4~8週ごとの来院を指示した。期間中、定期的な他のβ2刺激薬の使用は避けたが、テープ貼付後、数時間経過しても症状改善がみられない場合は、短時間作用性β2刺激薬(吸入または経口)を使用した。
※0.5~3歳未満には0.5mg、3~4歳には1mgを貼付。
評価項目
臨床症状
呼吸器症状の程度を、下表に従ってスコア化した。
1点 | 咳のみ |
3点 | 軽い喘息と陥没呼吸(陥没呼吸がない場合も含む) |
6点 | 明らかな喘鳴と陥没呼吸、呼吸困難 |
9点 | 著しい喘鳴と陥没呼吸、呼吸困難 |
Katsunuma T, et al. Allergy Asthma Proc. 2012;33(3):e28-34.
患者背景
Katsunuma T, et al. Allergy Asthma Proc. 2012;33(3):e28-34.
試験結果
Clicical outcomes
年間呼吸器症状スコア
喘息症状が増悪しそうな時にツロブテロール貼付薬を使用することで、年間呼吸器症状スコアが有意に低下しました。
上気道感染時における呼吸器症状スコアの変化
ツロブテロール貼付薬は、上気道感染時の呼吸器症状の改善に要する時間を短縮させました。
Katsunuma T, et al. Allergy Asthma Proc. 2012;33(3):e28-34.
安全性
ツロブテロール貼付薬群で2例3件、プラセボ群で6例10件の有害事象が認められた。
ツロブテロール貼付薬群では急性胃腸炎、アレルギー性鼻炎、急性肺炎が各1件、プラセボ群では急性胃腸炎2件、血便、胃腸炎、水痘、ヘルパンギーナ、肺炎、RSウイルス感染、伝染性軟属腫、溶血連鎖球菌感染が各1件認められたが、いずれも因果関係はないと考えられた。
Katsunuma T, et al. Allergy Asthma Proc. 2012;33(3):e28-34.