開発コンセプト
コンセプト1
気管支喘息治療においてクロノセラピー(時間薬物治療)を可能にするモーニングディップの抑制
一般に呼吸機能には24時間を周期とした変化(サーカディアンリズム)があります。気管支喘息患者では深夜から早朝にかけてモーニングディップと呼ばれる呼吸機能低下が認められますが、従来の経口β2刺激薬では作用持続の面で、十分に抑制できないようなケースもありました。ホクナリンテープの開発は、最高血中濃度到達時間(Tmax)をモーニングディップ発現時間帯に合うよう設定し、クロノセラピーを可能にすることを目的に行われました。
コンセプト2
血中濃度を過度に上昇させない
従来、気管支喘息の長期管理においては、優れた気管支拡張作用を示す経口β2刺激薬が繁用されてきました。しかしながら、これら経口β2刺激薬では心悸亢進や振戦などの全身性副作用が出現し、治療の妨げとなるケースもありました。
ホクナリンテープの開発は、血中濃度の過度の上昇を抑えることでこれらの全身性副作用を軽減することを目的に行われました。
コンセプト3
アドヒアランスの向上
現在市販されている経口β2刺激薬は、通常1日2~3回の投与が必要です。また高齢者や小児では経口剤や吸入剤の服用が困難な患者もいます。ホクナリンテープは、投与の簡便性を求めた1日1回投与の貼付型・気管支拡張剤です。
呼吸機能のサーカディアンリズムと血中濃度推移